松江春次

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先日、いつも日本から色んな本を送ってくれる妹がまた一冊の本を送ってくれました。


「日本領サイパン島の一万日」  野村進 著



まだ全部読んではいないのですが、何故か無性に松江春次の銅像が今も残る
シュガーキングパーク(砂糖王公園)に行ってみたくなりまして。




火炎樹の花が煌々と青空に映える炎天下の中、嫁と下の子どもら2人を連れて出かけてきました。













まず、この本に関しては以前から存在そのものは知っていました。
アメリカンメモリアルパーク内にある記念館の売店にも並んでましたし・・・
以前お世話になっていた方のレストランの書棚にもありました。

その分厚さと、またその内に読めば良いか・・・という不精から今に至ってしまったわけですが。

実際に当地に住んでいる兄より先に、何度かしか訪れていないにも関わらず、
勉強熱心な妹が読み終えたわけで。


で、折角に送ってくれたものなのでこれを機に読み始めたのですが。


以前から既に知っていた事実もありますし、この本で初めて知る事実もあったり。


ただ一つ言えるのは、この本を読むのが「今」で良かった・・・という事。
仮に僕がまだサイパンに来たばかりの頃に読んでいたら、また違ったでしょう。

もちろんどの本もそうでしょうが、ノンフィクションとは言え、そこには著者の主観が
少なからず反映される訳で。

この本も、当時のサイパンの様子を知る一つの手がかりとして興味深く読ませて頂いています。



どんなに秀逸な本でも、読み手側にそれを読み解くだけの見識がないと
ただの活字の羅列にしかならないわけで。






ま、小難しいことはさておき。


この公園、僕の住むアパートから車で3分のところにあります。
今までにも何度かは訪れた事がありましたが。
こうしてある種の感慨を持って訪れたのは初めてでした。



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僕ら以外に訪れている人も無く。
生い茂る木々がちょうど良い具合に日陰を作り、そこを縫うように順路を進んで行きます。


数年前から公園にも手が加えられて、以前のイメージよりも整然とした感がありました。





松江春次の銅像は1934年8月に建てられ、その除幕式には本人も燕尾服姿で出席したそうです。
アメリカによる占領後も地元民の意向が受け入れられ、そのまま残された・・・という事ですから。

地元民の間でも、それほどまでに偉大な人物として認知されていたのでしょう。



僕はこの銅像を前に独り、その当時に思いを馳せます。

今から76年ほど前に、この場所で盛大に除幕式が執り行われ・・・
本人をはじめ大勢の日本人がこの場所に集い、南洋の島サイパンの繁栄を祝っていたかと思うと。



当時の人達が、今のサイパンがこうなっているなどとは想像もつかなかっただろうなぁ・・・とか。


公園のすぐ前のミドルロード(サイパンの幹線道路)には車が数珠繋ぎに走り・・・
中には松江春治もビックリであろう高級車まであったり・・・。




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<公園奥にあるお堂>




焼け野原になったサイパンも、今はこうしてモノが溢れる島になりました。

豊になるにつれ、それ相応に諸問題も持ち上がってきますが。
島内だけの問題でなく、今や世界との係わり合いの中での問題であるわけで。
それらはその豊かな暮らしを享受する代わりに、自分達で解決すべく課せられた課題であると。



そんな事を思ってみたりしてました。






僕はこの本を途中まででも読み進むに連れて、今、自分が暮らしているこのサイパンにも
当然に時間という途絶える事のない流れが存在していて・・・
その一部分に今自分がこうして漂っていて・・・と言うのか、流れに乗っかっているんだなぁ・・・と。


いつかは僕も死を迎えるのですが、僕が死んだら僕の人生は終わりますが
その後もまたサイパンは存在し続けて・・・


またそこに暮らす僕の子どもらや次の世代の人達がいるんだ・・・と。


至極当たり前の事ですが、改めて実感した次第です。







この本の中で紹介されている様に、当時日本から渡ってきた人達の苦労は
今の僕らには想像もつかないものだと思います。
仮に想像はついても絶対に実践できないでしょう。これだけモノが豊かな時代に
暮らしてきてしまったわけですから。


僕は「この時代に生まれて良かった・・・」とはあまり思わなくなりました。
どの時代に生きたとしても、その時代時代の価値観や境遇の中で暮らす事に
人間の本質や苦労や営みに変わりはなく。。。


先にも述べた通り、ずっと連続している時間の一部に自分がいるわけで。
時代が違うと言っても、その時代から今まで時間は連続しているわけで。
先の時代から次の時代へも、時間という流れは一つなはずで。。。






松江春次の銅像は、そこに建てられてからずっと、この時間を見続けてきたのだなぁ・・・と。


これからも見続けて欲しいですし、また将来の人達にも見続けられて欲しいと・・・




切に思います。









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<松江春次像>



ちなみに、この銅像は日本を向いている・・・はずです。
残念ながら確証はありませんが、そう聞いた覚えがあります。。。








最後までお読み頂けましてありがとうございました。











daisuke 34

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by daisuke_yanai | 2010-06-02 22:25 | 風景 | Comments(0)
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