長編 ~月の裏側~

サイパンに住んで7年と少しになるが、未だサイパン島周りをボートで一周した事はなかったのである。南は最南端ナフタン岬、北はバンザイ・スポットライトを少し行ってグロットまで・・・というのが僕の行った事のある範囲であった。

さて今日は、以前にもココで紹介したアクアジェットのオーナーキャプテン・スコットの粋な取り計らいで、普段アクアジェットを使っているサービスのガイドダイバーのみを集めて「普段潜りに行かないポイントへ潜りに行こうクルーズ!?」が開催されたのである。もちろん、スコットも潜る。(そういう催しが企画される時点で、今サイパンにダイバー客が少ないのがお分かり頂ける事と思う)

「普段潜りに行かない・・・」と言っても、大先輩ガイド諸氏は昔潜った事があっても、僕も含めて(?)若い世代のガイド連中の殆どは初めて潜るポイントばかりである。
出航前に、南回りにする?北回りにする?・・・という相談だけでワクワクした。笑。何だか大昔の貿易船みたいじゃ。
結局、南回りでスタートする事になった。。。

サイパン島西側はベタベタ。水底12~13mくらいまでは楽勝でサンゴまで見えていた。が、南側に差し掛かってからは波が出始め、調子良く舳先(へさき)の見晴らしの良い所へ陣取って跨った僕は次第に体勢が苦しくなってきたのであった。

が、ナフタンを越えて未知なる世界へ差し掛かった時・・・・まさしく、それは月の裏側を見る思いであった。勿論、サイパンに来て以来初めて目にする景色である。

そんな大興奮も醒め止まぬまま、一本目のポイント?「禁断の島」到着・・・・って言うか、東側、結構波ありません?・・・・・が、皆ガイドダイバーですから・・・・ハハハ。
しかも慣れないドリフト!?久しぶりに、と言うか初めて「ちゃんとブリーフィングしてから入りましょうよぉ~・・・エントリーは?集合は?エキジットは?」みたいな、ドキドキ感。

普段、お客さんはこんなにエキサイティングな感じなのか・・・・と再認識。

中は・・・・深いは流れてるはで「コリャ、ガイドしか潜れんな・・・」状態。久しぶりに体力が必要とされたダイビングだった。・・・・やっぱダイビングって、体力いるな。
でもその分、もの凄いギンガメアジ!しかもダイバーを珍しがってか、向こうから寄ってきて先頭の大先輩ガイドを取り囲む・・・・念の為、その後ろスグに付いていた僕まで大接近!

が、一応デジカメを持って入ってみたものの・・・・そんな初めて潜るポイントで、しかも久しぶりに使ったという事もあって、ちゃんと撮れるはずもない。とっさに押した一枚です。思いっ切りドキドキ感が伝わってくるでしょう?笑
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あっという間の1ダイブ。。。その後、未だ見ぬサイパンの裏側(東側)を北上。途中、バームクーヘンみたいな地層も剥き出しになってた。サイパン島誕生以来の時間に思いを馳せた。。。
こんなのが海からそそり立って出てきたんだから・・・・凄いよなぁ。


で、2本目のポイント?グロット左穴を出て、ず~っと奥にあるスーパードロップオフ?これまた、もの凄い・・・・と言うか、笑っちゃうくらいの大激流。棚上はまだマシなものの、壁にブチ当たる流れは逆行不可能。。。棚上から崖を見下ろすダイビングだった。

でも、やっぱりそういう流れがある所には色々集まるんだろうなぁ。大きなホワイトチップ・ブラックチップがいた。総勢十数名で潜ってるから普段のサメに対するコワさみたいなものは無かったな。笑

帰路は北から。普段見慣れた景色に辿り着くと不思議と安堵感が。。。
東側は波があったが、バンザイ辺りまで来ると凪ぎ。マニャガハ島が近づいてきたので、念の為用意した弁当を走ってるボート上で食べた。それくらいの凪ぎと言う事。
南北に長い島サイパン。当たり前だが、その日の風向きやウネリの入ってくる方角で海況がこうまで違ってくる。


出発した港の桟橋に着いた時、マゼランやバスコ・ダ・ガマ、はたまた月の裏側を初めてみた人はこういう気持ちだったのかなぁ・・・とスケールがあまりにも違い過ぎて比べるのも失礼だとは思いきや、初のサイパン島一周を心の中で祝ったのでした。


~終わり~
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by daisuke_yanai | 2005-07-20 21:20 | ダイビング
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