ミャーミャーと鳴き始めるまで、その子に気が付かなかった。 その時は準備だけしてゲストを迎えに行かなければならなかったし、 どうせまた少ししたらどこか居心地の良い所へ行くだろうと。 そのままにして出かけた。 昼過ぎ、戻ってきたら今度は朝いた場所ではなく水道のホースがある壁の近くに うずくまっていた。 どうやら暑さを凌いでいるらしかったが、ぐったりしていて元気がない。 と言うか、動けそうになかった。 マリアナリゾートの下のビーチで生まれたであろう子猫。 母猫とはぐれてしまったのか。 とりあえず、ゲストをお送りした帰りに牛乳を買ってきて与えた。 ペットボトルの底の部分を切って、浅めの容器にしてあげた。 まだ生まれて間もないのであろう、舌を使って上手く飲めないのか 時折鼻まで浸けてしまっては、鼻に泡を作りながら。 それでもチロチロと舐めるように飲み続けた。 厳しい自然界を生き抜いて行くのは大変だろう。 もしかしたら衰弱して死んでしまうかもしれない。 でもまぁ、仮に天国に召されるにしてもお腹一杯に満足してから 旅立つのも悪くないかも・・・とか思ったりしながら見ていた。 が、しばらくすると急に元気が出たのか、チョロチョロと動き回る様になった。 日が暮れかかって辺りが薄暗くなった頃、ビーチに降りていく道を思い出したのかどうか。 僕の方を気にかけながらも、その道を眺めていた。 そうそう、オマエが戻るべき方向はそっちだぞ・・・と。 僕が帰る時も、その場にじっとしていて。 車をゆっくり走らせながらバックミラーを気にして見ていると。 道の脇の茂みに入って行くのが見えた。 まさか僕が帰るのを待っていた事はなかろうに。 それ以来、この子は姿を見せてはいない。 daisuke 35
by daisuke_yanai
| 2010-12-12 21:11
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